Japanese
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連載 専門医試験をめざす症例問題トレーニング
肩甲骨・肩・肘関節疾患
Shoulder and elbow disease
橋口 宏
1
H. Hashiguchi
1
1日本医科大学千葉北総病院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Nippon Medical School Chiba Hokusoh Hospital, Inzai
キーワード:
calcific tendinitis
,
diagnostic imaging
,
conservative treatment
Keyword:
calcific tendinitis
,
diagnostic imaging
,
conservative treatment
pp.167-172
発行日 2020年2月1日
Published Date 2020/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei71_167
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症 例.52歳,女.主婦.
主 訴:右肩関節痛と右肩挙上困難.
家族歴・既往歴:特記すべきことはない.
併存症:更年期障害・漢方薬内服治療.
利き手:右.
現病歴:外傷などの誘因なく右肩関節痛が出現した.市販の鎮痛薬を内服し一時疼痛は軽減したが,発症同日夜間の激しい疼痛により覚醒し,鎮痛薬を内服するも疼痛は改善しなかった.まったく睡眠できず,腕の置き場がないほど疼痛が増悪したため来院した.
初診時所見:身長155cm,体重42kg,体温36.4°Cであった.脈拍62/分,血圧110/68mmHgであった.
右肩関節自動可動域(ROM)は,外転・伸展・屈曲は10°,外旋は−10°,内旋は大転子部であった.圧痛を上腕骨大結節周囲に認めた.肩関節周囲に腫脹や発赤,熱感はなかった.右肩関節他動ROM計測,筋力テスト,インピンジメントテストなどの徒手検査は疼痛が強く実施不可能であった.右肘関節以遠のROMや筋力に異常はなかった.深部腱反射は正常で,病的反射と感覚障害はなかった.
血液所見:赤血球(数)430万/μl,白血球(数)4,800/μl,尿酸4.2mg/dl,CRP 0.3mg/dlであった.
画像所見:右肩関節の単純X線像(図1),CT(図2),MRI(図3)を示す.
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