Japanese
English
臨床経験
殿筋粗面に発生した石灰性腱炎の1症例
A Case of Calcific Tendinitis in Gluteal Tuberosity
鈴木 里美
1
,
鵜飼 和浩
2
Satomi Suzuki
1
1太子病院整形外科
2兵庫県立看護大学
1Department of Orthopaedic Surgery, Taishi Hospital
キーワード:
石灰性腱炎
,
calcific tendinitis
,
殿筋粗面
,
gluteal tuberosity
,
ハイドロキシアパタイト
,
hydroxyapatite
Keyword:
石灰性腱炎
,
calcific tendinitis
,
殿筋粗面
,
gluteal tuberosity
,
ハイドロキシアパタイト
,
hydroxyapatite
pp.1143-1147
発行日 1994年10月25日
Published Date 1994/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901476
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抄録:石灰性腱炎は肩関節周辺に発生することが多い.今回稀とされる殿筋粗面における石灰性腱炎を経験したので報告する.患者は52歳,男性.左殿部痛のため受診.初診時血液検査では白血球10100/mm3と軽度増加が見られた.X線像で左大腿骨殿筋粗面で傍骨性に円形の石灰化小陰影を認めた.一時疼痛は消炎鎮痛剤にて軽減したが再発し,さらに骨化性筋炎や腫瘍性疾患との鑑別を要したため生検を兼ねて摘出術を行った.腫瘤は殿筋粗面の軟骨様隆起の上に付着しており中心部はチョーク状石灰物で満たされていた.赤外線分析にて石灰物の主成分はハイドロキシアパタイトであった.術後9カ月の現在症状はない.殿筋粗面における石灰性腱炎は石灰沈着性股関節周囲炎のうち8%と少なく,本邦では過去5例報告されており,50歳前後の男性に多い.治療は同部位発生のものは手術的加療を行った報告が多い.
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