Japanese
English
臨床経験
肩甲下筋腱に生じた石灰沈着性腱板炎の1例
A Case of Calcific Tendinitis of the Subscapularis Tendon
藤本 昭二
1
,
井手 淳二
1
,
中村 孝文
1
,
東原 忠
2
,
高木 克公
2
Shoji Fujimoto
1
1熊本大学医学部整形外科学教室
2東原整形外科病院
1Department of Orthopaedic Surgery, Kumamoto University School of Medicine
キーワード:
calcific tendinitis
,
石灰沈着性腱板炎
,
subscapularis tendon
,
肩甲下筋腱
Keyword:
calcific tendinitis
,
石灰沈着性腱板炎
,
subscapularis tendon
,
肩甲下筋腱
pp.227-229
発行日 1998年2月25日
Published Date 1998/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902380
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抄録:石灰沈着性腱板炎は日常しばしば遭遇する疾患であるが,多くは棘上筋腱,棘下筋腱に見られ,肩甲下筋腱に生じるものは稀である.今回,急激な疼痛発作,著明な可動域制限を来した肩甲下筋腱石灰沈着性腱板炎の症例を経験した.診断にはX線CT,MRIを用い,部位診断にはCT,MRIが有効であった.治療は穿刺,ステロイド剤の注入を行った.穿刺液は乳白色の結晶で,希酢酸で可溶性を示したことからカルシウム塩と判断した.軽度の可動域制限はあるが,日常生活動作に支障は無くなった.ただ石灰化は未だ残存しており,発痛の原因として結晶自体の催炎性も指摘されていることから,再発の可能性も考え経過観察を行っている.
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