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連載 卒後研修講座
関節リウマチでみられる痛みの種類とケア
Pain care in rheumatoid arthritis
岡田 信彦
1
,
門野 夕峰
1
N. Okada
1
,
Y. Kadono
1
1埼玉医科大学整形外科・脊椎外科
1Dept. of Orthop. Surg., Faculty of Medicine, Saitama Medical University, Saitama
キーワード:
RA
,
pain
,
care
Keyword:
RA
,
pain
,
care
pp.153-158
発行日 2020年2月1日
Published Date 2020/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei71_153
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は じ め に
関節リウマチ(RA)は多発性に関節腫脹・圧痛を呈する,関節滑膜を主病変とした原因不明の全身性自己免疫疾患である.近年,メトトレキサートや生物学的製剤の実用化によって治療のパラダイムシフトがもたらされ,寛解導入を実現して予後を著明に改善させることが可能になってきた.現在の治療目標は,疾患活動性を抑えて臨床的寛解を達成することにより長期的な関節破壊を阻止し,身体機能を維持することとなっており,早期に診断して治療を開始することが重要である.
治療目標ではあるものの寛解を達成できる患者は半分以下にとどまっており,寛解を達成できない患者も残っている.寛解達成後に生物学的製剤が二次無効になったり,副作用や合併症などにより十分な治療ができなかったりすることもある.
RA患者の主訴は「痛み」であることが多く,痛みがあるゆえに日常生活動作(ADL)が障害され,生活の質(QOL)の低下を招いている実態がある.痛みのケアをすることは治療のスタートであるだけでなく,治療が成功するためのカギである.本稿では痛みの基礎知識やRAにおける痛みの種類やケアについて概説する.
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