前医で半月板損傷が疑われたがMRIで皮下病変が痛みの原因であると判明した柔道選手の4例

High school judo players with subcutaneous peripatellar effusion mimicking meniscal tear on physical examinations；report of four cases

　跪く動作の多い職業に従事すると，床との接触部位に鋭い痛みが出やすいことが知られている．床掃除などで膝をつく機会が多い家政婦の職業病ともいえることから，housemaid's knee（家政婦膝）と呼ばれる^1）．

　その病態は膝蓋骨周囲の皮下に外傷性に生じる滑液包炎^2）と考えられており，prepatellar bursitis（膝蓋前滑液包炎）とも呼ばれる^3）．

　前医では半月板損傷を疑われたが，MRI検査で膝蓋前滑液包炎などの皮下の炎症が痛みの原因であると診断し，保存的治療で経過が良好であった柔道選手の4例を経験したので報告する．