誌説
がんのリハビリテーション・骨転移診療の隆盛に思う
城戸 顕
1
1奈良県立医科大学リハビリテーション科教授
pp.938-938
発行日 2019年8月1日
Published Date 2019/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei70_938
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がん罹患者数は増加し続けているが1),いっぽうがんの生存率は多くの罹患部位で上昇傾向1)を示し,全がん・全病期の平均値での10年生存率は平均58%2)であり,向後もいっそうがん診療の機会,そしてがんリハビリテーションの治療機会は増加すると考えられる.がんリハビリテーションの治療対象には,① がんによる障害と,② 治療過程で生じる障害がある.① にはがんの直接的影響(脳腫瘍による麻痺や肺がん,肺転移による呼吸機能障害など)と間接的影響(がんの進行による衰弱,疼痛や意欲低下などによる活動性低下・廃用症候群など)があげられる.また,② には手術・放射線療法などによる局所への影響と,化学療法などによる全身への影響があげられる.
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