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手術手技シリーズ 最近の進歩
手の外科
特発性腱断裂―手関節部の伸筋腱皮下断裂に対する減張位早期運動療法について
Tension-reduced Early Mobilization for Reconstruction of Ruptured Extensor Digitorum Communis Tendons
石黒 隆
1
,
池上 博泰
2
Takashi Ishiguro
1
1いしぐろ整形外科
2慶応義塾大学医学部整形外科
1Ishiguro Orthopaedic Clinic
キーワード:
extensor tendon rupture
,
伸筋腱断裂
,
reconstruction
,
再建
,
tension-reduced early mobilization
,
減張位早期運動療法
Keyword:
extensor tendon rupture
,
伸筋腱断裂
,
reconstruction
,
再建
,
tension-reduced early mobilization
,
減張位早期運動療法
pp.41-46
発行日 1999年1月25日
Published Date 1999/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902613
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抄録:特発性腱断裂として関節リウマチ,キーンベック病,変形性遠位橈尺関節症などによる手関節部での伸筋腱の皮下断裂がある.断裂腱の断裂部は腱の摩耗や変性が起きており,再建としては遊離腱を用いての架橋移植,残存腱を用いての腱移行あるいは隣接指への端側縫合のいずれかが選択される.
腱移植や腱移行術後は手関節背屈,MP関節軽度屈曲位に固定する従来の後療法を行なわざるを得ずMP関節の屈曲制限をきたしていた.われわれは断裂腱を隣接指に端側縫合した上でテーピングにより減張位を保持する早期運動療法を考案した.術後に手の使用が可能で隣接指と同じかそれに近い伸展可動域が全例に得られ,伸展力に不満を訴えるものもなくほぼ正常な屈曲可動域が獲得されている.残存する腱が一本あれば本法は可能で,術直後からの積極的な指の屈伸運動によって筋の萎縮を最小限におさえることのできる優れた方法といえる.
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