Japanese
English
創意と工夫
超音波ガイド下神経ブロックによる下腿創外固定器抜去の試み
Removal of external fixator in lower limbs by the ultrasound-guided nerve block
濱田 知
1
,
松原 秀憲
1
,
宇賀治 修平
1
,
土屋 弘行
1
T. Hamada
1
,
H. Matsubara
1
,
S. Ugaji
1
,
H. Tsuchiya
1
1金沢大学大学院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Graduate School of Medical Sciences, Kanazawa University, Kanazawa
キーワード:
ultrasound guidance
,
nerve block
,
external fixation
Keyword:
ultrasound guidance
,
nerve block
,
external fixation
pp.789-791
発行日 2019年6月1日
Published Date 2019/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei70_789
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は じ め に
創外固定は四肢において,開放骨折や脱臼骨折における軟部組織の保護,短縮や変形の矯正,化膿性骨髄炎や偽関節の治療などさまざまな病態に対して施行されている1~3).創外固定器は体外に出ているため治療後の抜去が必須であるが,抜去自体は皮膚に新たにメスを入れることなく容易に行うことが可能である.しかし,創外固定のハーフピンは骨との固定性を上げるためにねじ切りがされており,通常複数本使用される.また強度の面から下肢では直径4mm以上の太いものが使用される.よって,これらを抜去するときは強い痛みを伴う.加えて,何度も回転させて抜かなければいけないため,Kirschner鋼線を抜去するときのように一瞬我慢すればよいものでもない.
創外固定器を抜去する際,当院ではこれまで患者の希望に応じて,手術室で全身麻酔や腰椎麻酔下で施行する方法と,外来処置室で静脈麻酔下で施行する方法のどちらかを主に選択してきた.外来処置室での抜去は手続きが少なく迅速に施行でき,また患者の金銭面での負担が小さいというメリットがある.しかし,従来の麻酔方法である静脈麻酔では麻酔効果が不安定であるというデメリットも存在した.そこでわれわれは,近年,超音波ガイド下神経ブロックを使用し外来処置室での下腿創外固定器の抜去を試み,安全かつ安定した麻酔下での抜去が可能であったため報告する.
© Nankodo Co., Ltd., 2019