連載 X線診断Q&A
X線診断Q&A
安藤 貴信
1
1岩手医科大学整形外科講師
pp.793-794
発行日 2019年6月1日
Published Date 2019/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei70_793
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
Question
症 例.60歳,女.
主 訴:後頚部痛.
家族歴:父親が乾癬であった.
現病歴:約30年前から現在にいたるまで,徐々に増強する起床時の体のこわばりを認めていた.また,同時期から誘因なく両手手指の腫脹・疼痛を発症していたが,しばらくすると,消退することを繰り返していた.15年前から手指関節の腫脹,両足底部の疼痛が持続するようになり,近医で非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を投与され鎮痛効果を認めていた.2週間前に転倒してから後頚部痛が時々出現するようになり,当科を紹介され受診となった.
身体所見:両手関節の腫脹と圧痛,左示指,中指,右環指の指炎を認めた.殿裂にピンク色の湿疹がみられた.足底部足底腱膜踵骨付着部に圧痛を確認した.頚椎運動時異常音を訴えていた.
血液検査所見:CRP 3.7mg/dl,ESR 52mm/時,リウマトイド因子(RF) 15IU/ml>,抗CCP抗体0.6U/ml>,ANA定量40未満であった.
X線所見:初診時仙腸関節両側正面像,頚椎前屈位側面像を示す.
© Nankodo Co., Ltd., 2019