Japanese
English
特集 子どもの運動器障害――学校検診から日常診療まで
Ⅳ.主な運動器疾患と障害の治療
13.学童における骨折の疫学
Epidemiology of fractures in school children
古賀 寛
1
H. Koga
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科フレイル予防のための運動器科学講座
1Division of Musculoskeletal Science for Frailty, Niigata University Graduate School of Medical and Dental Sciences, Niigata
キーワード:
school children
,
fracture
,
epidemiology
Keyword:
school children
,
fracture
,
epidemiology
pp.661-664
発行日 2019年5月10日
Published Date 2019/5/10
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei70_661
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は じ め に
骨折は子どもの外傷の中でも頻度が高く,きわめて一般的な疾患である.臨床現場において,あるいは実生活の中で目にすることも多く,「子どもの骨折が増えている気がする」,「最近の子どもは骨が弱くなっているんじゃないか?」という印象をもたれている方も多いと思われる.骨折受傷の背景には,子どもの発育,栄養,運動機能,生活環境,医療レベル,社会的関心などさまざまな因子が影響するため,疫学的手法による調査は発生率の動向を知るだけでなく,発症予防や行政対応の指針を立てるうえできわめて重要である.
本稿では学童期の骨折を中心に,当グループが新潟県新潟市の全小中学生を対象にして長期的に実施している学校管理下の骨折発生に関する疫学調査の結果をもとに子どもの骨折発生の動向と特徴について概説する.
© Nankodo Co., Ltd., 2019