Japanese
English
特集 子どもの運動器障害――学校検診から日常診療まで
Ⅳ.主な運動器疾患と障害の治療
12.足関節の外傷
-――小児足関節外側靱帯損傷の病態と治療
Ankle lateral ligament injuries in children;pathology and treatment
栃木 祐樹
1
Y. Tochigi
1
1獨協医科大学埼玉医療センター第一整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Dokkyo Medical University School of Medicine, Tochigi
キーワード:
ankle lateral ligament injury
,
avulsion fracture
,
os subfibulare
Keyword:
ankle lateral ligament injury
,
avulsion fracture
,
os subfibulare
pp.655-660
発行日 2019年5月10日
Published Date 2019/5/10
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei70_655
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
は じ め に
足関節捻挫はもっとも発生頻度の高い運動器外傷の一つで,特にスポーツ外傷では発生数の15~20%を占めるとされる1,2).学童~思春期には,スポーツ好きの活発な児童は当然ながら,そうでない児童も学校体育活動などで受傷機会が増加する.またこの時期には,運動能力の発達に伴い走行速度や跳躍高度が増加し,幼児期と比較して受傷時外力は飛躍的に増大する.これにより関節構造に明らかな損傷が生じれば,症状の遷延化や機能障害の残存に伴う関節機能の低下,長期的には変性疾患の原因となるリスクも高まることとなる.
本稿では,学童~思春期における足関節外傷の特徴を代表的病態である外側靱帯部損傷を中心に解説し,遺残障害のリスク低減を意識した足関節捻挫の初期治療プロトコルを提案する.
© Nankodo Co., Ltd., 2019