増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集
血液生化学検査
糖質および関連物質
糖化アルブミン
林 洋一
1
,
村上 哲雄
1
,
朝岡 昭
1
1日本大学医学部第3内科
pp.136-137
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909782
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検査の目的・意義
糖化アルブミン(glycated albumin:GA)の検査は,中・長期の血糖コントロールの指標として行われる.健常人では血糖は狭い範囲に維持されており,いつ血糖検査しても差は少ない.しかし,糖尿病患者では血糖の変動が大きく,早朝空腹時血糖は比較的安定しているものの,特に薬物療法中の患者では,検査当日に薬物と食事を中止して外来で行う早朝空腹時採血は血糖コントロールを乱すことになったり,また,これらを中止していてもインスリン拮抗ホルモンの作用で血糖は上昇することがあるため非生理的な結果となり,外来ではみだりに早朝空腹時の検査は行うべきではないとされる.さらに,大きく変動している血糖の1ないし数ポイントの測定から,糖尿病患者の血糖コントロール良否の判定は困難なことが多い.そこで,中・長期の血糖コントロールの指標としてHbA1c,フルクトサミン,1,5-AGなどが臨床応用されてきた.
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