Japanese
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連載 卒後研修講座
野球肘に対する診断と治療の最前線
Management of baseball elbow
門間 太輔
1
,
岩崎 倫政
2
D. Monma
1
,
N. Iwasaki
2
1北海道大学病院スポーツ医学診療センター
2北海道大学大学院整形外科
1Center for Sports Medicine, Hokkaido University Hospital, Sapporo
キーワード:
OCD
,
UCL
,
baseball elbow
Keyword:
OCD
,
UCL
,
baseball elbow
pp.1085-1093
発行日 2019年9月1日
Published Date 2019/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei70_1085
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は じ め に
野球肘を考えるうえでSlocum1)が提唱したlateral compression(外側圧迫力),medial tension overload(内側牽引力),extensor mechanism overload(伸筋張力)の概念は重要である(図1).これにより野球肘は上腕骨小頭離断性骨軟骨炎(osteochondritis dissecans:OCD)に代表される外側型の障害や,肘関節内側側副靱帯(medial collateral ligament:UCL)損傷に代表される内側型の障害,さらには肘頭骨端線離開といった後方の障害などに大別される.野球肘の診断においてはこれらの病態を考慮して問診,徒手検査,画像検査を組み合わせて行う必要がある.また,治療方針の決定においては競技レベル,年齢などさらに考慮すべき要素が複雑となるが,さまざまな状況に対し起こりうる合併症や治療効果を十分に説明したうえで治療方針を決定する必要がある.
© Nankodo Co., Ltd., 2019