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1.は じ め に
第8回日本成人脊柱変形学会は豊根知明会長(昭和大学)[図1]のもと,2018年3月10日(土)に東京ガーデンテラス紀尾井町紀尾井カンファレンス(図2)において開催された.東京ガーデンテラス紀尾井町といってもピンとこない方もおられるかもしれないが,東京ガーデンテラス紀尾井町は旧称赤坂プリンスホテルの跡地の再開発事業によって計画された「豊かな自然と歴史に抱かれた国際色豊かな街」にふさわしい街づくりをコンセプトに,オフィス,ホテル,商業施設などが入居する紀尾井タワーと賃貸マンションの紀尾井レジデンスの2棟で構成される複合型施設である.このような素晴らしい立地にある施設を学会会場に選択された豊根会長の学会開催にかける情熱は計り知れず,またこの分野を発展させようとする強い思いを感じた.
前日まで冬の天気に戻ってしまったかと思われる肌寒い日であったが,学会当日は幸い天候に恵まれ,春らしい日差しがさしこむ天候の中,223名の参加者があり活発な議論が行われた.本学会は2001年に日本成人脊柱変形学会として発足し,第1回総会が開催され,現在にいたっている.日本成人脊柱変形学会は,今まで脊椎外科領域で浸透していなかったグローバルアライメントや脊椎・骨盤パラメータという概念を脊椎外科医にとって常識とし,脊椎疾患の診かたを変えたといっても過言ではない.グローバルアライメントという考え方が十分浸透し,患者に大きな福音をもたらしたともいえる.
本学会のテーマは「腰曲がり・首下がりの不思議を解明する」であった.成人脊柱変形などの疾患の疫学から病態解明や治療法まで,成人脊柱変形のあらゆる分野における基礎から臨床までの情報を提供し,議論する場に日本成人脊柱変形学会はなっており,成人脊柱変形という非常に限られたテーマを扱う本学会の独自性を踏まえ,わが国の脊椎脊髄病に対する業績を受け継いで,これを現在に発展させ,さらに未来へと伝えられる学会にしたいという思いを込めてこのテーマが選択されたそうである.
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