剣道とゴルフ

　学生時代にはろくに勉強もせず剣道ばかりしていた．高校時代から習っていたこともあり，医学生の中ではそれなりの腕前であったと思う．ただ機動隊などに混じって稽古すると全く歯が立たず，体力と技の違いを思い知らされた．それでもめげずに稽古を続けた甲斐あって，大学を卒業する時には四段になっていた．医師になってからは自宅で素振りをすることはあっても，道場で防具をつけて稽古することはほとんどなくなった．思い返せば，私が一生懸命剣道に取り組んだのは若き日のたかだか10年間であった．

　整形外科医になってすぐ，同僚や先輩に誘われてゴルフを始めた．以来45年間ずっとゴルフを続けてきたが，いつまでたってもボギーペースから脱出できないままである．典型的な月一ゴルファーではあったが，練習場で過ごした時間を合計すると剣道よりも長い時間をゴルフに費やしたかもしれない．もって生まれた才能がないことが上達しなかった一番の原因であると思われる．