Japanese
English
バイオメカニクス
寛骨臼形成不全例において閉鎖孔内参照点から股関節中心の推定は可能か
Can the hip center be calculated by using three-dimensional pelvic model in the patients with developmental dysplasia of the hip?
土屋 和生
1
,
今井 教雄
2
,
湊 泉
3
,
田邊 裕治
4
,
遠藤 直人
5
K. Tsuchiya
1
,
N. Imai
2
,
I. Minato
3
,
Y. Tanabe
4
,
N. Endo
5
1新潟大学大学院材料生産システム専攻機械科学
2新潟大学大学院地域医療長寿学講座
3新潟臨港病院整形外科
4新潟大学工学部システム工学科
5新潟大学大学院整形外科
1Division of Advanced Materials Science and Technology, Niigata University Graduate School of Science and Technology, Niigata
キーワード:
DDH
,
hip center
,
3D pelvic model
Keyword:
DDH
,
hip center
,
3D pelvic model
pp.942-946
発行日 2018年8月1日
Published Date 2018/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei69_942
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は じ め に
人工股関節全置換術(THA)において,インプラントの設置位置不良は脱臼,ライナー摩耗,疼痛に影響すると報告されている1~3).また股関節中心が上下,外側また後方に移動することによる接触力の増大や,外転筋力およびモーメントの減少が報告されている4,5).これらのことからTHAを施行する際,インプラントは股関節中心(hip center:HC)を再現するように設置することが望ましいと考えられる.
インプラント設置計画を行う際,以前は単純X線像による二次元テンプレーティングを用いていたが6,7),近年では三次元骨モデルを用いた三次元テンプレーティングが行われるようになり,その有用性も報告されている8~10).しかしながらカップの設置において亜脱臼,高度寛骨臼変形(特に両側例)などにより本来のHCが同定しにくい場合も少なくない.その際にはHC位置の推定が必要となるが,その推定に有用な解剖学的参照点はいまだ不明である.
筆者らは先行研究において,健常者の三次元骨盤モデルを用いて,閉鎖孔内の解剖学的参照点とHCとの左右,上下,前後,各方向における距離の相関を調査し,平均3mm以内の精度でHCが算出できると報告した11).
本研究の目的は,寛骨臼形成不全(DDH)例で筆者らの先行研究と同様の手法を用い,HCが算出可能であるか否かを検証することである.
© Nankodo Co., Ltd., 2018