Japanese
English
創意と工夫
Dupuytren拘縮に対するシリコンチューブを用いた安全・正確なコラゲナーゼ注入法の工夫
Collagenase injection with a planned needle depth adjusted by silicone tube interposition for Dupuytren contracture
金谷 貴子
1
,
名倉 一成
1
,
原田 義文
1
,
鷲見 正敏
1
T. Kanatani
1
,
I. Nagura
1
,
Y. Harada
1
,
M. Sumi
1
1神戸労災病院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Kobe Rosai Hospital, Kobe
キーワード:
Dupuytren contracture
,
collagenase clostridium histolyticum injection
,
silicone tube
Keyword:
Dupuytren contracture
,
collagenase clostridium histolyticum injection
,
silicone tube
pp.363-366
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei69_363
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は じ め に
Dupuytren拘縮に対する従来の治療法は,拘縮索切除術で指伸展の改善を図る手術的治療が中心であったが,コラゲナーゼを拘縮索内に注射し,24時間以降に徒手操作で指の伸展改善を図るコラゲナーゼ注射治療法が2010年に米国で開始され1),本邦では2015年7月から手外科専門医で認可を得た施設で施行可能となった.その良好な治療成績が報告されているが2~5),もっとも回避すべき合併症は屈筋腱断裂である2,6).コラゲナーゼ治療手技マニュアルでは「本剤を投与する際は針植え込み式1mlシリンジを用い,注射針の刺入深度は皮膚表面より2~3mm以内とする」と明記されており1),注入深度はもっとも重要であるが,実際には目分量でなされているのが現状であり,正確さに欠けるのみならず,合併症のリスクを伴うことになる.この問題を解決するために当院で考案した,シリコンチューブを用いた拘縮索中央への注入方法(silicone tube法:ST法)を報告する.
© Nankodo Co., Ltd., 2018