関節リウマチ患者に対する人工膝関節置換術後深部静脈血栓症の発生頻度 -――足関節の関節破壊が深部静脈血栓症発生に与える影響

Incidence of deep vein thrombosis after total knee arthroplasty in patients with rheumatoid arthritis；influence of ankle destruction on deep vein thrombosis

は じ め に

　人工膝関節全置換術（total knee arthroplasty：TKA）の術後合併症の一つである深部静脈血栓症（deep vein thrombosis：DVT）は，致死的な肺塞栓症（pulmonary embolism：PE）に発展する可能性があり，その予防は重要である．足関節底背屈運動はDVT予防に有用とされているが^1,2），関節リウマチ（rheumatoid arthritis：RA）患者では足関節の高度な関節破壊のため，十分な底背屈運動が行えない症例も存在する．われわれは，RA足関節の関節破壊がTKA後のDVT発生に与える影響を検討したので報告する．