高齢者腰部脊柱管狭窄症に対する筋肉温存型腰椎椎弓間除圧術（MILD法）の治療効果 -――80歳以上の患者と65歳以下の患者の比較

Clinical results of muscle-preserving interlaminar decompression（MILD）for the elderly patients with lumbar spinal stenosis；a comparison between patients above 80 years of age and below 65 years of age

は じ め に

　超高齢社会が到来した近年，腰痛や下肢痛による間欠跛行（intermittent claudication：IMC）を主訴とする腰部脊柱管狭窄症（lumbar spinal stenosis：LSS）の患者は増加しつつある．『腰部脊柱管狭窄症診療ガイドライン2011』には，「初期治療は保存療法が原則であるが，保存治療が無効である場合には，手術治療を推奨できる」とされている^1）．

　筋肉温存型腰椎椎弓間除圧術（muscle-preserving interlaminar decompression：MILD法）は，LSSに対する手術術式として開発された術式^2,3）で，その治療成績はこれまでにも報告されてきている^4～8）．

　本稿では超高齢社会が到来したこともふまえ，80歳以上のLSSに対して施行されたMILD法の治療成績を調査し，その有効性を明らかにすることを目的として検討を加えたので報告する．