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超音波elastographyは組織の硬さを超音波によって測定する方法である.プローブで用手的に圧迫を加えるか,プローブからパルスを送信して組織を歪ませる方式がstrain elastographyであり,パルスで歪んだ組織が戻る速度を数値化する方式がshear wave elastography(SWE)である.日立製作所(東京)のstrain elastographyをReal-time Tissue Elastography(RTE)と呼び,圧迫前後の歪みの変化を色分けしてモザイク様の組織弾性imagingをつくる.
硬い組織は青,軟らかい組織は赤で表示される.歪みは圧迫の程度により変化する相対的指標であるが,粘弾係数が決まっている音響カプラーを装着して同時に歪ませることにより,カプラーの歪みに対する相対値として半定量化が可能である.Strain graphを参考に圧迫の程度や速さを一定にcyclicに圧迫を加えて弾性imagingをつくるが,RTEの画像処理アルゴリズムは乳腺用であるため,弛緩/収縮と粘弾性が大きく変化する骨格筋を対象にする場合は,収縮の程度に応じて圧迫強度を強めて歪値(%)が0.04~0.05以上になるようにする(図1,2).はじめと終わりのcycleの弾性imagingは不正確なので,筆者らは10 cycle測定して中ほどの5 cycleから弾性imagingを採用して平均をとっている.プローブの両端は歪みが一定ではないので,測定する部位を弾性imagingの中心にもってくること,硬すぎる組織(骨,筋膜)の上には赤いアーチファクト(相対的に軟らかく表示されてしまう)が出現することなどを念頭におく必要がある.
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