特集 大人医師の復習帳―昔の常識,今でも大丈夫?
第10章 腎臓
[慢性腎臓病]一律のたんぱく制限はしません
-―腎臓病=たんぱく制限ではない時代に―
菅野 義彦
1
1東京医科大学 腎臓内科学分野
pp.914-917
発行日 2026年4月1日
Published Date 2026/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika137_914
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慢性腎臓病の今昔
腎機能が低下する病態は急性/慢性腎不全と学んでいましたが,2002年に慢性腎臓病(CKD)の概念が提唱されて,急性腎障害とともに臨床の場では主流となっています.CKDへの移行に伴い,腎機能の指標は血清クレアチニン値から推算糸球体濾過量(eGFR)になり,尿蛋白量の重要性が周知されています1).また国際的に定義や病期ステージが統一されていることから,治療の比較が可能になり,エビデンスが確立するようになりました.一方でCKDは原疾患によらず腎機能低下を示す患者の総称となったために,腎臓内科の管理患者は従来の慢性糸球体腎炎に加え,高血圧症,糖尿病の長期病歴をもつ者が増加したことで,CKDは高齢者の疾患となっています.腎保護作用をもつ薬剤の進歩によりCKDの終末像である透析に至るまでの期間も延長したため,人工透析(現在は腎代替療法という名称を使うことが多い)の導入年齢,患者の平均年齢も上昇しています.患者の生命予後も,合併症に対する薬剤の発展により飛躍的に向上し,原疾患が糖尿病であっても20年以上人工透析を受けている患者はめずらしくなくなりました2).

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