特集 大人医師の復習帳―昔の常識,今でも大丈夫?
第2章 循環器
[高血圧]ARNI,MRAの登場で治療法が変わりました
横井 秀基
1
1熊本大学大学院生命科学研究部 腎臓内科学講座
pp.626-629
発行日 2026年4月1日
Published Date 2026/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika137_626
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高血圧の今昔
著者の研修医時代(1990年代),高血圧診療の中心はCa拮抗薬,アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬,アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB),利尿薬でした.当時はレニン-アンジオテンシン(RA)系抑制薬による臓器保護が最重要とされ,とくに腎臓領域において,蛋白尿を伴う腎臓病ではACE阻害薬やARBが第一選択と教わりました.ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)はステロイド型MRAであるスピロノラクトンしかなく,高カリウム血症の懸念から心不全以外では積極的に用いられていませんでした.また,当時は慢性腎臓病(CKD)という概念が確立されておらず,高血圧症による腎障害は,腎硬化症の診断で,腎機能が高度に低下すれば慢性腎不全の診断名で加療されました.現在は,第一選択薬はCa拮抗薬,ACE阻害薬,ARB,利尿薬,β遮断薬ですが,高リスクな高血圧症や重度の高血圧症ではアンジオテンシン受容体ネプリライシン(ARNI)やMRAを最初に使用することが可能です.

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