特集 どんと来い,肺がん診療―それぞれの立場で患者を支えるために
[Chapter 2] 肺がん治療に伴う全身症状:どんと来い,他科症状・他科疾患
[脳神経領域]頭痛,麻痺,認知機能低下
-肺がんに伴う中枢神経症状
後藤 貴子
1
,
三浦 義治
1
1東京都立駒込病院 脳神経内科
キーワード:
脳転移
,
がん性髄膜炎
,
Trousseau症候群
,
腫瘍随伴性神経症候群(PNS)
,
放射線脳壊死
,
免疫関連有害事象(irAE)
,
lorlatinib
Keyword:
脳転移
,
がん性髄膜炎
,
Trousseau症候群
,
腫瘍随伴性神経症候群(PNS)
,
放射線脳壊死
,
免疫関連有害事象(irAE)
,
lorlatinib
pp.242-247
発行日 2025年2月1日
Published Date 2025/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika135_242
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
★★肺がん脳転移では頭痛,認知機能低下や運動機能障害,痙攣など多様な神経症状を伴う場合が多く,脳造影MRI検査が有用である.
★がん性髄膜炎では頭痛,背部痛,脳神経麻痺,精神症状,歩行困難,嘔気・嘔吐,筋力低下などが多く,髄液細胞診を繰り返し検査することが重要である.
★★肺がんに伴う脳卒中のうちTrousseau症候群では脳MRI画像病変,Dダイマー,腫瘍マーカーが重要であり,総合的に診断する.
★腫瘍随伴性神経症候群(PNS)では小細胞肺がんかどうか,および血清抗Hu抗体の検出が重要である.
★放射線脳壊死では治療照射部位・方法と発症期間が重要であり,近年bevacizumab治療が行われるようになった.
★★免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の使用に伴い免疫関連有害事象(irAE)が生じることがあり,脳炎・髄膜炎などを発症することがある.
★★中枢神経関連有害事象が特徴とされるチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)としてはALK-TKIの一つであるlorlatinibが知られている.
★★★:一般内科診療で必要な内容,★★:総合内科専門医試験レベルの内容,★:専門性の高い内容
© Nankodo Co., Ltd., 2025