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第4章 リウマチ・膠原病
[炎症性筋疾患]筋線維の細胞死を標的とした炎症性筋疾患の新規治療法開発を目指して
神谷 麻理
1
1東京医科歯科大学病院 膠原病・リウマチ内科
キーワード:
炎症性筋疾患
,
ネクロトーシス
,
HMGB1
,
グルカゴン様ペプチド-1受容体(GLP-1R)作動薬
Keyword:
炎症性筋疾患
,
ネクロトーシス
,
HMGB1
,
グルカゴン様ペプチド-1受容体(GLP-1R)作動薬
pp.513-517
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika134_513
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Summary
・特発性炎症性筋疾患(IIM)に対する非特異的な免疫抑制を用いた現行の標準治療は,安全性や有効性に関する多くのアンメットニーズを抱えている.
・筆者らは,IIMにおいて傷害を受けた筋線維がHMGB1などの炎症介在因子の放出を伴うプログラム細胞死である,ネクロトーシスに至ることを明らかにした.
・マウスIIMモデルに対するネクロトーシス阻害剤(Nec1s)や,抗HMGB1抗体を用いた治療は,筋の炎症を抑制するのみならず,筋力低下をも改善した.
・グルカゴン様ペプチド-1受容体(GLP-1R)作動薬は筋線維のネクロトーシス阻害作用を介して,マウスIIMモデルの筋の炎症や筋力低下を改善させた.
・筋線維のネクロトーシスはIIMの新規治療標的として期待される.
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