特集 性感染症
[Chapter 2] 性感染症各論
[月単位で翌月の初日に届出] クラミジア(Chlamydia trachomatis)感染症
佐田 竜一
1
1大阪大学大学院 医学系研究科変革的感染制御システム開発学(日本財団)寄附講座
キーワード:
クラミジア
,
淋菌
,
不顕性感染
Keyword:
クラミジア
,
淋菌
,
不顕性感染
pp.41-48
発行日 2024年7月1日
Published Date 2024/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika134_41
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★★クラミジア(Chlamydia trachomatis)感染症は多くの場合,顕著な症状を示さないため,未診断や未治療のまま放置されることが一般的であり,これが広範囲の感染伝播につながるとともに,女性の妊孕性低下や,新生児への経産道的感染を起こしうる.
★★C. trachomatis感染症の検査には,血清抗体検査(EIA法,ELISA法),核酸増幅試験(NAAT),細胞培養などがある.
★★ほかの微生物と共感染している場合が多く,一つの性感染症(STI)を見つけたらほかのSTIのスクリーニングを行う必要がある.
★★C. trachomatisによる反応性関節炎は有名であるが,発症の多くが不顕性感染によるため,実際には診断が困難な場合が多い.
★★細胞内寄生菌をカバーした抗菌薬選択,共感染を起こしやすい微生物の同時治療,パートナーにも治療を推奨することの3点を意識した治療が求められる.
★★一次予防戦略の中心は,STIの感染リスクを減らす行動変容を促すこと,感染症を媒介したり合併症を発症する前に特定して治療することである.
★★★:一般内科診療で必要な内容,★★:総合内科専門医試験レベルの内容,★:専門性の高い内容
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