特集 患者の将来を見据えた実践的糖尿病診療―脱 “血糖屋さん” のススメ
[Chapter 3] 血糖値だけではない糖尿病併存症の診断・予防・治療
糖尿病に併発する悪性腫瘍の診断・予防・治療
鈴木 亮
1
1東京医科大学 糖尿病・代謝・内分泌内科学分野
キーワード:
膵がん
,
大腸がん
,
肝細胞がん
Keyword:
膵がん
,
大腸がん
,
肝細胞がん
pp.1150-1153
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika133_1150
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
▪糖尿病の新規発症や原因不明の急激な増悪,また腹痛などの腹部症状を認める場合は,膵がんの可能性を考慮して検査を行う.
▪便潜血検査(免疫法)は大腸がんのスクリーニングとして,対策型検診および任意型検診での実施が推奨される.
▪B型慢性肝炎,C型慢性肝炎,肝硬変は肝がんの高危険群であり,糖尿病は検査間隔を決定する際に考慮する危険因子の一つである.
▪「禁煙」「節酒」「バランスのよい食生活」「活発な身体活動」「適正体重の維持」は,日本人にとって確実に効果が期待できるがんの予防法である.
▪周術期はインスリンを中心とした血糖管理への切り替えが原則となる.
▪免疫チェックポイント阻害薬開始前と開始後の来院日ごとに血糖値を測定し,高血糖症状の有無と併せて当日中に確認する.
© Nankodo Co., Ltd., 2024