特集 患者の将来を見据えた実践的糖尿病診療―脱 “血糖屋さん” のススメ
[Chapter 1] 血糖値だけではない糖尿病治療の目標と実践
血糖値だけではない糖尿病のある人の食事
髙橋 佳大
1,2
,
水野 正巳
1,2,3
,
矢部 大介
1,2,4
1岐阜大学大学院 医学系研究科糖尿病・内分泌代謝内科学/膠原病・免疫内科学
2岐阜大学医学部附属病院 糖尿病代謝内科/免疫・内分泌内科
3岐阜大学医学部附属病院 生体支援センター
4東海国立大学機構 One Medicine創薬シーズ開発・育成研究教育拠点(COMIT)
キーワード:
高齢者糖尿病
,
サルコペニア・フレイル
,
食べる順番
Keyword:
高齢者糖尿病
,
サルコペニア・フレイル
,
食べる順番
pp.1084-1089
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika133_1084
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▪糖尿病治療の根幹である「食事」について,近年,個別化が求められるようになっている.
▪たとえば,わが国の糖尿病のある人の大部分を占める高齢者では,摂取エネルギー不足がサルコペニア・フレイルのリスクとなるため,十分なエネルギー摂取や蛋白質摂取が重要である.
▪一方で,近年増加傾向にある肥満を有する若年の糖尿病のある人では,飽和脂肪酸を多く含む動物性食品中心の食事は,脂肪蓄積による体重増加を招くのみならず,動脈硬化性疾患のリスクとなりうるため注意が必要である.
▪栄養相談では,現状の把握に食物摂取頻度調査(FFQ)やアプリを活用し,説明にわかりやすい資材を用いると理解が得られやすい.
▪「食事」の議論において,総エネルギー摂取量,栄養素比率に加えて,「食べる順番」を工夫することで食後の血糖上昇を改善できることや,過食を是正する可能性が報告されている.
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