特集 保存期慢性腎臓病と透析期のステージに応じた診療のポイント
[Chapter 3] 保存期CKD患者・透析患者への薬剤の使い方
脂質異常症の治療目標値と推奨薬剤
半田 貴也
1
,
横井 秀基
1
1京都大学大学院 医学研究科腎臓内科学
キーワード:
慢性腎臓病(CKD)
,
透析
,
脂質異常症
Keyword:
慢性腎臓病(CKD)
,
透析
,
脂質異常症
pp.57-61
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika132_57
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▪久山町スコアではCKD患者は動脈硬化性疾患における高リスク管理区分に分類される.
▪一次予防においてはLDLコレステロール<120mg/dL,ただし糖尿病において非心原性脳梗塞,末梢動脈疾患,細小血管症(網膜症,腎症,神経障害),喫煙を合併する場合にはLDLコレステロール<100mg/dLで管理することを考慮する.
▪二次予防においてはLDLコレステロール<100mg/dL,ただし急性冠症候群,家族性高コレステロール血症,糖尿病,冠動脈疾患とアテロームを伴う脳梗塞の合併の4病態のいずれかを合併する場合にはLDLコレステロール<70mg/dLで管理することが推奨されている.
▪CKDにおけるLDLコレステロール症例はスタチン単独あるいはスタチン・ezetimibe併用が推奨される.
▪透析患者で脂質異常症治療薬が心血管イベントを抑制するという十分なエビデンスはいまだに存在しない.
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