連載 Focus On
高速かつ高品質な3DCG生成技術が医療にもたらす可能性
瀬尾 拡史
1
,
相馬 桂
2
,
梅井 正彦
2
1株式会社サイアメント
2東京大学医学部附属病院循環器内科
キーワード:
3DCG
,
成人先天性心疾患
Keyword:
3DCG
,
成人先天性心疾患
pp.321-327
発行日 2023年8月1日
Published Date 2023/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika132_321
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CT画像やMRI画像からの3次元コンピュータグラフィックス(3DCG)生成は,すでに国内外で普及しており,内科領域においてもごく普通に用いられている.近年,医用画像から写実的な3DCGをつくる機能を搭載したソフトウェアの登場により,高品質な3DCGを生成できるようになってきたものの,生成には時間がかかり,高品質な3DCGをその場で自由に動かすことはできないため,仕様用途は限定されてしまっているのが現状である.
そこで,本稿の第一著者である瀬尾が開発している,医用画像から高速かつ高品質に3DCGを生成できるソフトウェア(Viewtify®)を用い,立体構造の把握が難しい成人先天性心疾患の症例を通じて医療における3DCGの有用性を検討した.結論としては,このようなソフトウェアがあれば,複雑な立体構造を把握する必要がある場合に大いに役立ち,既存のソフトウェアを用いて3DCG 生成が行われているほかの臓器,ほかの領域でもさらなる応用が可能であることが期待される.3DCGを用いることが実際に治療成績の向上などに寄与するのかどうかについては,さらなる検討が必要である.
© Nankodo Co., Ltd., 2023