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特集 腎疾患の診断と治療 最前線
I.総論:症候と検査値異常からみた診断へのアプローチ
6.カリウム代謝異常:高カリウム血症,低カリウム血症
Potassium metabolism disorders:hypokalemia and hyperkalemia
杉本 俊郎
1
Sugimoto Toshiro
1
1滋賀医科大学総合内科学講座
キーワード:
高カリウム血症
,
低カリウム血症
,
新規経口カリウム吸着薬
Keyword:
高カリウム血症
,
低カリウム血症
,
新規経口カリウム吸着薬
pp.31-36
発行日 2024年12月15日
Published Date 2024/12/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001570
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1 はじめに:カリウム代謝の調節1)
カリウムは,体内に含有するカリウム(3,000~4,000 mEq,体重70 kgの場合)の98%が細胞内液に,2%が細胞外液に存在する。その細胞内濃度は約150 mEq/Lであり,細胞内に最も多く存在する陽イオンであり(70~75%が筋肉組織に存在している),その細胞外液濃度は3.5~5.0 mEq/Lの正常範囲に調節されている。この細胞内外の濃度勾配は,Na-K-ATPase(細胞外へ3分子のナトリウムイオン,細胞内へ2分子のカリウムイオンを運搬する)により維持されており,細胞膜電位の規定因子とされている。正確ではないが,細胞内に多い陽イオンであるカリウムが,細胞内から外へリークすることにより,細胞膜電位が陰性,つまり,過分極していると考えると臨床的には理解しやすい。
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