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第4章 循環器系に作用する薬剤
[昇圧薬,心不全治療薬]
カテコラミンおよびその類似薬
中本 敬
1
1大阪大学大学院 医学系研究科循環器内科学
pp.698-702
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika131_698
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・経口強心薬は主に心筋の収縮力を増強することで,心拍出量の増加,左室拡張末期圧の低下を生じ,その結果として心不全による呼吸困難やうっ血に起因する症状の改善,運動耐用能の改善,QOLの改善などが期待される.
・強心薬は心筋細胞内のCa濃度を高めて強心作用を発揮する薬剤であるため,その結果,致死性不整脈を誘発する可能性がある.
・強心薬は生命予後改善に対する寄与が乏しいことから,予後改善を目的とした標準治療とはならず,その適応は比較的限定される.薬剤選択において,pimobendanは有害事象を比較的生じにくいため,優先的に考慮すべき薬剤である.
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