今月の主題 心不全へのアプローチ
薬物治療—適応,使い方,副作用
カテコラミン
佐藤 光
1
,
立石 博信
1
1社会保険広島市民病院・循環器内科
pp.1387-1389
発行日 1991年8月10日
Published Date 1991/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901010
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●catecholamineによるinotropic therapyを始める前に
静注法によるinotropic therapyを始めるのは,急性心筋梗塞や急性心筋炎による心臓性ショックや急性心不全,慢性の低心拍出量性うっ血性心不全,心臓手術時であるが,臨床症状により,心臓性ショックや心不全を判断してinotropic the-rapyを直ちに始める前に,動脈圧,肺動脈圧や心拍出量といった血行動態をできるだけ正確に把握することが大切である.
心拍出量や血圧の低下,さらにhypoperfusionによる臨床症状に加えて,左室充満圧の上昇(>15mmHg)を認めたときに適応となる.もし左室充満圧の低下または正常にとどまる時は,循環血液量の低下による可能性を考慮しなければならない.したがって,血行動態の正確な連続測定とその記録,心拍出量の定時的な監視も大切である.
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