Laboratory Medicine 異常値の出るメカニズム・32
カテコラミン
屋形 稔
1
,
三国 龍彦
2
Minoru YAKATA
1
,
Tatsuhiko MIKUNI
2
1新潟大学医学部・中央検査部
2新潟鉄道病院・内分泌内科
pp.1770-1773
発行日 1980年11月10日
Published Date 1980/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216765
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
カテコラミンの生合成と代謝
カテコラミン(CA)はドーパミン,ノルアドレナリン(NA)およびアドレナリン(A)の総称で,交感神経,副腎髄質のクロム親和性細胞においてチロジンから生成される.
血液中から交感神経末端のクロム親和性細胞にとりこまれたチロジンは,チロジン水酸化酵素によりドーパとなり,ついでドーパミンに転換され,さらにドーパミンβ酸化酵素(DBH)の働きでNAが生成される.副腎髄質では同様にして生成されたNAからさらにフェニルエタノラミン-N-メチル転換酵素(PNMT)によってAが合成され,これらは細胞内のクロム親和顆粒中に貯えられる.NA,Aは交感神経の刺激により血中に分泌されるが,大部分は再び交感神経末端や脳内にとりこまれて不活性化されたり,速やかに尿中に排泄されるため血中のCA濃度はきわめて微量である.
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.