特集 プライマリケア医に必要な情報をまるっと整理 くすりの使い方便利帳
第4章 循環器系に作用する薬剤
[降圧薬]
サイアザイド利尿薬,サイアザイド類似(非サイアザイド)利尿薬
川久保 裕美子
1
,
白石 泰之
1
1慶應義塾大学 循環器内科
pp.636-640
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika131_636
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
・本邦のガイドラインにおける降圧薬の第一選択としてサイアザイド系利尿薬(サイアザイド利尿薬,サイアザイド類似利尿薬)はアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬/アンジオテンシンⅡ受容体遮断薬(ARB),Ca拮抗薬と並んで推奨されている.
・サイアザイド系利尿薬は心不全・脳卒中予防効果が期待されており,遠位尿細管でのナトリウム再吸収阻害の作用機序から,食塩感受性高血圧や治療抵抗性高血圧に対して有用ともいわれている.
・一方で血清Na,K低値の場合は電解質異常が助長される危険性がある.また高度の腎機能障害がある場合には(推定糸球体濾過量(eGFR)≦30mL/分/1.73m2)サイアザイド系利尿薬の効果はあまり期待できない.
© Nankodo Co., Ltd., 2023