特集 心エコー 傾向と対策―ケースで学ぶ! 実地医家がおさえておきたい診断・評価法
[Chapter 3] ケースで学ぶ! 心エコーの傾向と対策
B.実は遭遇することがまれではない疾患・病態
低流量低圧較差重症大動脈弁狭窄症
片山 大河
1
,
鬼頭 健人
1
,
片岡 明久
1
1帝京大学医学部附属病院 循環器内科
キーワード:
大動脈弁狭窄症(AS)
,
低流量低圧較差重症大動脈弁狭窄症(LF-LG SAS)
,
弁膜症
Keyword:
大動脈弁狭窄症(AS)
,
低流量低圧較差重症大動脈弁狭窄症(LF-LG SAS)
,
弁膜症
pp.250-255
発行日 2023年2月1日
Published Date 2023/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika131_250
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▪大動脈弁狭窄症(AS)は加齢による弁の変性が主たる原因であり,平均寿命が長いわが国では80歳以上のAS患者は7%を占め増加傾向である.
▪現在,経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)の技術的進歩により外科手術が受けられない高齢者,高リスク患者も治療可能になった.
▪ASの重症度診断には心エコー図検査が必須であり,大動脈弁最大血流速度(Vmax),平均圧較差(mPG),大動脈弁口面積(AVA)を計測する.
▪重症ASの診断基準であるVmax≧4.0m/秒,mPG≧40mmHg,AVA<1.0cm2を満たしていない低流量低圧較差重症AS(LF-LG SAS)という病態が存在し,その病態を適切に理解する必要がある.
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