特集 コロナ禍で見えた感染症検査の原点回帰―各種検査の特徴とその解釈
[Chapter 3] 微生物検査から感染症を考える
消化器検体
菊池 航紀
1
1手稲渓仁会病院 感染症科
キーワード:
核酸増幅検査(NAAT)
,
multiplex PCR検査
,
腹水の血液培養ボトル採取
Keyword:
核酸増幅検査(NAAT)
,
multiplex PCR検査
,
腹水の血液培養ボトル採取
pp.1291-1294
発行日 2023年6月1日
Published Date 2023/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika131_1291
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▪消化器由来の検体は,常在菌が存在する部位から採取した検体か,無菌検体かで検査工程や結果の解釈の仕方が異なるため,分けて考える必要がある.
▪下痢の原因菌を鑑別するために消化管検体を提出する場合は,想定する微生物を問診で絞り込み,検査室に臨床情報を伝えることが重要である.
▪Clostridioides difficile(CD)検査は,迅速キットが現在本邦の多くの病院で主流であるが,抗原(GDH)陽性,トキシン陰性のときの結果解釈に注意する.
▪multiplex PCR検査は下痢の原因微生物同定に有用な検査であるが,真の感染の起因菌かどうかの解釈は,検査前確率の見積もりが重要である.
▪胆汁培養は,胆道感染症の際は必ず採取し,抗菌薬選択の一助にするべきである.
▪腹水培養は,滅菌スピッツだけでなく,血液培養ボトルへの採取が感度を上げるために重要である.
© Nankodo Co., Ltd., 2023