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第10章 漢方薬
漢方薬
田中 耕一郎
1
1東邦大学医療センター大森病院 東洋医学科
pp.1052-1058
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika131_1052
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安中散
脾虚傾向があり,慢性化した心窩部の痙攣性疼痛に使用する.寒冷飲食,精神的ストレスにより増悪する腹痛によい適応である.心因性の食欲不振,胃部不快感,胸やけなどの症状にも幅広く使用できる.牡蛎(貝殻)の炭酸カルシウムによる制酸作用を有する.ケシ科の延胡索による鎮痛作用は,消化管に限らず,月経困難症にも応用可能である.軽度の鎮静作用を有するため,夕食が遅く,入眠・中途覚醒に問題がある方は眠前に内服するとよい.
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