特集 好きになる呼吸器学―珠玉の症例集から
特別寄稿 ~思い出に残る症例・師匠・出会い・哲学~
難攻不落の山に挑む
髙橋 和久
1
1順天堂大学大学院 医学研究科呼吸器内科学
キーワード:
肺がん
,
研究
,
教育
,
メンター
Keyword:
肺がん
,
研究
,
教育
,
メンター
pp.975-980
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika130_975
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そもそも医師を目指したのは,難治である「がんの診療と研究」をしたかったからです.開業医である父からは,「これからは手術をせずにがんを治せる時代がくる」と言われました.それはないと思いつつ,もしかしたらという気持ちを抱き続け,将来の進路を脳外科と内科(呼吸器内科)で悩みました.BSLは両科ともに教育的でしたが,最終的には初志貫徹,「がんを薬で治したい」という思いから内科を選択しました.そして2年後に入局先を呼吸器内科に決めた最大の理由は,初期研修医時代に多くの進行肺がんの患者さんを担当したものの,有効性の乏しい抗がん薬を使用した忸怩たる思いがあったからです.
高校時代は山岳部に所属し,数々の難度の高い山を攻略してきました.その延長線上にあったのが難攻不落の山である “がん” であり,それに挑みたいと思いました.
© Nankodo Co., Ltd., 2022