特集 好きになる呼吸器学―珠玉の症例集から
珠玉の症例集 ~印象深い症例・思い出の症例より~
[Case 11]職業・生活環境だけでなく,患者の趣味まで聴取する
岡本 師
1
,
宮﨑 泰成
2
1東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科肺免疫治療学講座
2東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科統合呼吸器病学
キーワード:
過敏性肺炎
,
原因抗原
,
鳥関連抗原
Keyword:
過敏性肺炎
,
原因抗原
,
鳥関連抗原
pp.907-910
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika130_907
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Case summary
22歳男性.X年12月末に実家に帰省した際,同日に39℃台の発熱を認め市販の解熱薬で様子をみていたが,2日後に呼吸困難を自覚し,39℃台の発熱も持続したため,当院救急外来を受診した.胸部CTにてびまん性に小葉中心性粒状影を認め,急性非線維性過敏性肺炎の疑いにて抗原回避目的に緊急入院となった.
Muckle-Wells症候群の既往あり.母親の診断を契機に14歳時に診断.自己炎症性疾患の一つであり,炎症性サイトカインIL-1βの産生亢進により,持続性または周期性の全身炎症をきたす.14歳よりIL-1β阻害薬にて加療中.喫煙歴・アレルギー歴なし.8年前よりインコを別宅の実家で飼育,しばしば実家に帰省している.生活環境は,羽毛布団を冬季のみ使用,ダウンジャケットをX年12月上旬に購入し着用し始めたばかりである.会社の寮住まいで,築30年木造,カビは目立たない.また加湿器使用もなかった.職業は20歳から現在までロードサービスに従事.機械加工で冷却水や潤滑油を扱っている.
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