特集 エキスパートがお答えします! 日常臨床のあるあるの疑問
第5章:肝・胆・膵
B型肝炎ウイルスの再活性化が問題になっていますが,どのような患者で注意すればよいでしょうか?
疋田 隼人
1
1大阪大学大学院 医学系研究科消化器内科学
pp.483-485
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika130_483
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お答えします B型肝炎ウイルス(HBV)が再増殖することをHBV再活性化とよび,自然経過でも認めることはありますが,主に化学療法,造血幹細胞移植,免疫抑制療法などで誘導されます.HBs抗原陽性患者だけでなく,HBV既往感染患者からもHBV再活性化を認めます.HBV再活性化は肝炎を惹起することがあり,HBV再活性化による肝炎は初感染による急性B型肝炎より劇症化率が高く,時に致死的となります.免疫抑制薬や抗悪性腫瘍薬などの使用に際しては,HBs抗原陽性患者はもちろん,HBs抗原が陰性であってもHBs抗体もしくはHBc抗体のどちらか一方でも陽性の患者さんは,HBV再活性化に注意が必要です(図1,表1).
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