特集 エキスパートがお答えします! 日常臨床のあるあるの疑問
第4章:消化管
下痢が続く場合,過敏性腸症候群を考え,まずは止瀉薬を処方すればよいでしょうか?
渡辺 知佳子
1
,
正岡 健洋
1
1国際医療福祉大学三田病院 消化器センター内科
pp.465-467
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika130_465
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お答えします 過敏性腸症候群は,慢性の下痢の原因疾患として遭遇する機会は多いものの,器質疾患の可能性について,便検査・血液検査,大腸内視鏡検査による鑑別を怠ってはなりません.診断の遅れが致命的となる大腸がんなどが鑑別となります.過敏性腸症候群において,診断の遅れによるQOL低下は著しいので,早期の診断が求められています.病態を理解したうえで止瀉薬のほか,食事療法や心理療法との総合的な治療を開始します.
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