特集 エキスパートがお答えします! 日常臨床のあるあるの疑問
第4章:消化管
喘息などのアレルギー疾患を有している患者が腹痛を訴えた際は,好酸球性胃腸炎の可能性がありますか?
沢田 明也
1
,
藤原 靖弘
1
1大阪公立大学大学院 医学研究科消化器内科学
pp.461-464
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika130_461
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お答えします 好酸球性胃腸炎(EGE)は気管支喘息と同様にTh2リンパ球が関与していると考えられる疾患で,約50%のEGE症例にアレルギー疾患が併存しています.アレルギー疾患を有する患者さんにおいて腹痛や嘔気・嘔吐,下痢などの症状が持続する場合にはEGEの可能性も考慮する必要があります.血液検査での末梢血白血球増多や好酸球増多,CRPの上昇,CT検査での消化管壁肥厚や腹水の存在はEGEを疑わせる所見です.確定診断に内視鏡検査による粘膜生検が必要で,さらに炎症性腸疾患などの似た臨床所見を呈する疾患を除外する必要があります.
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