演習 腹部CTの読みかた・9
胸部異常陰影から精査となった64歳男性
飯野 美佐子
1
,
岩田 美郎
1
1東海大学医学部放射線科
pp.935-943
発行日 1998年5月10日
Published Date 1998/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906822
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Case
64歳,男性.乾性咳嗽,血痰を主訴に近医を受診.胸部異常陰影が認められたため,精査目的で本院紹介となる.胸部CT,気管支鏡などの所見から転移性肺癌と診断された.既往歴に特記すべきことなし.理学的検査では右下腹部に腫瘤を触知.原発巣検索目的の腹部超音波検査で,右腎下極に大きさ11×8cmの腫瘤が認められた.腫瘤は全体的には低エコーを示すものであったが,内部には壊死と思われる不均一なエコーも認められた.血液検査:WBC 8,000/μl,RBC 4.81×106/μl,Hb 14.2g/dl,Ht 42.8%,血小板 27.9×104/μl,CRP 1.07mg/dl,ESR 47mm/hr,BUN 14mg/dl,Cr 0.8mg/dl,図1aは単純CT,図1bは造影CT血管相,図1c,dは造影CT平衡相である.(図1a〜cは右腎下極付近を通る同一スライス面.図1dは右腎門部レベルのスライス)
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