特集 胆道・膵疾患を診る―早期診断・早期治療のために
胆膵実地診療のコツ
腹部超音波検査で注意すべき所見と疑う胆膵疾患
藤澤 聡郎
1
,
伊藤 光一
1
,
冨嶋 享
1
,
石井 重登
1
,
伊佐山 浩通
1
1順天堂大学医学部附属順天堂医院 消化器内科
キーワード:
腹部超音波検査
,
胆膵疾患
,
専門医紹介
Keyword:
腹部超音波検査
,
胆膵疾患
,
専門医紹介
pp.27-32
発行日 2022年7月1日
Published Date 2022/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika130_27
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Summary
▪早期発見・早期治療が比較的難しい胆膵疾患に対して,疾患を発見する最初の突破口となるのが腹部超音波検査である.隠れている疾患を見落とすことがないように超音波所見が示す意味,疑うべき疾患を理解して検査・読影することが重要である.
▪数ある所見のなかでも肝内胆管拡張と膵低エコー腫瘤は胆管がんや膵がんを伴っている場合が多く,なるべく早い専門医への紹介が必須である.一方,総胆管のみの拡張,胆囊壁の肥厚,膵管拡張,膵囊胞性腫瘤は,多くの良性疾患のなかにがんが隠れている場合があるので造影CTやMRIなどで精査するとよい.また胆囊腫瘤,膵高エコー腫瘤はほとんどの場合に問題となることがなく,1cmを超える大きな腫瘤もしくは増大傾向を示す場合は念のため紹介を要する.
© Nankodo Co., Ltd., 2022