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投稿 症例
痛風発作を契機にマクロCK血症を発症した1例
A case of macro creatine kinase triggered by a gout attack
安冨 真道
1
,
井上 信孝
1
M. Yasutomi
1
,
N. Inoue
1
1神戸労災病院循環器内科
pp.1013-1016
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika130_1013
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は じ め に クレアチンキナーゼ(CK)アイソザイムは,脳型(B)サブユニットと骨格筋型(M)サブユニットの2量体で構成され,CK-BB,CK-MB,CK-MMの3種類が存在する.一方,ミトコンドリアにはミトコンドリアCKが存在している.
CK-MBの測定において,わが国では免疫阻害法が用いられることが多く,抗CK-M活性阻害抗体で阻害されないCK-BB・ミトコンドリアCK・マクロCKなどが血中に存在する検体では,CK-MB活性が偽高値を示すという問題点がある1).
マクロCKはtype 1とtype 2に分類され,type 1はCKに免疫グロブリンが結合した複合体で,type 2はミトコンドリア由来のCKである.type 2は悪性腫瘍で多くみられる傾向があるが,type 1の疾患特異性についてはいまだ不明点が多い2).全世界からさまざまな症例が報告されているが,今回われわれは,痛風発作を契機にマクロCK血症(type 1)を発症した1例を経験したので報告する.
© Nankodo Co., Ltd., 2022