Book Review
新 てんかんテキスト(改訂第2版)―てんかんと向き合うための本
谷口 豪
1
1国立精神・神経医療研究センターてんかん診療科 医長
pp.899-899
発行日 2022年4月1日
Published Date 2022/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika129_899
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- 文献概要
てんかんは,てんかん発作を繰り返して起こす慢性の脳疾患である.性別や人種を問わず,乳幼児から高齢者までの幅広い年齢で発病し,有病率は1%と考えられており,決してまれな疾患ではない.てんかん発作は事故や怪我のリスクになるだけでなく,日常生活に制限を強いられ,周囲から誤解されることもある.さらに知的障害や運動障害,精神症状を合併することもある.このように,てんかん発作自体の持続時間は短いものの,てんかんであることの心理・社会的な影響は大きい.そのため,医療者や支援者には,単にてんかん発作を抑制することを目標にするのではなく,てんかんのある人の人生や生活をいかに充実させていくのかという視点が求められている.
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