特集 1ページでわかる内科疾患の診療ノート―“あたりまえ” のなかにある大事な視点
第1章:呼吸器
好酸球増多性肺疾患(急性・慢性好酸球性肺炎)
中村 孝人
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1奈良県西和医療センター 総合内科・感染症内科・腫瘍内科
pp.547-552
発行日 2022年4月1日
Published Date 2022/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika129_547
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■想起
・疾患イメージ(illness script)を把握している
① 急性好酸球性肺炎(AEP)のillness script
・アレルギー既往のない健康若年者が,喫煙(開始,増加,銘柄変更など)を契機に発熱と急性呼吸器症状(咳嗽,息切れ,胸痛など)を生じる.膿性痰は少ない.時に重篤化し急性呼吸不全に至る
② 慢性好酸球性肺炎(CEP)のillness script
・アレルギー素因のある中年女性が当初,感冒と考えて対応するが改善せず,遷延する呼吸器症状を認める.時に倦怠感・体重減少も伴う.時に難治性肺炎,遷延性肺炎,抗菌薬不応性肺炎を呈している
・両疾患を想起した場合,他の好酸球増多肺疾患の除外も忘れず一緒に想起する
・鑑別する疾患として薬剤性肺炎,肺寄生虫感染症,アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA),好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA),好酸球増多症候群(HES)などがある
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