特集 治りにくい肺炎に出会ったら
[Chapter 3] 感染症と考えていたが実は感染性肺炎ではなかった!
好酸球性肺炎(急性・慢性)
鈴木 勇三
1
1浜松医科大学 内科学第二講座呼吸器内科
キーワード:
急性好酸球性肺炎
,
慢性好酸球性肺炎
Keyword:
急性好酸球性肺炎
,
慢性好酸球性肺炎
pp.264-268
発行日 2024年2月1日
Published Date 2024/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika133_264
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▪好酸球性肺炎は肺への著明な好酸球浸潤を特徴とする疾患で,急性好酸球性肺炎(AEP)と慢性好酸球性肺炎(CEP)に分類される.
▪AEP発症には喫煙との関連が示唆されており,若年男性が多く,呼吸不全を呈することも少なくない.一方でアレルギー素因を認めることは少なく,診断時の末梢血好酸球も正常であることが大半である.画像所見は両側性のびまん性陰影を呈する.若年者のびまん性陰影に対しては,問診で喫煙習慣の変化を聴取することが診断の糸口となる.
▪CEPは30~50歳代の中年に多く,半数程度に気管支喘息などのアレルギー素因を認める.CEPでは当初より末梢血好酸球数の上昇が認められ,画像上も非区域性の陰影を呈することが多い.
▪AEPとCEPが疑われた際には,速やかに気管支鏡検査を行い確定診断を得ることが肝要である.
▪AEP,CEPともにステロイドへの反応は良好である.AEPの再発はまれである.CEPでは半数程度でステロイド漸減中に再発を起こす.一方でCEPは再発後もステロイドへの反応は良好である.
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