Book Review
心疾患と妊娠・出産ベストプラクティス―エキスパートが答える現場のコツと工夫
丹羽 公一郎
1
1聖路加国際病院心血管センター 特別顧問
pp.438-438
発行日 2022年3月1日
Published Date 2022/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika129_438
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医療の発達の恩恵を受け,複雑先天性心疾患を含む多くの心疾患が,妊娠・出産年齢を迎え,出産を経験した心疾患女性も多くみられるようになっている.心疾患患者は,一般と異なり妊娠・出産の際に母体合併症を認め,妊娠中の治療を必要とすることも少なくない.流産や低出生体重児などの胎児合併症の頻度も高い.心疾患患者は,妊娠・出産が可能か,妊娠・出産の合併症や注意点は何か,どのように合併症を予防するか,治療をどのようにするか,普通分娩で産めるのか,子どもに遺伝しないか,育児は大丈夫か,など多くの不安を抱えている.今回,南江堂から上梓された赤木禎二先生,伊藤浩先生の編集したテキスト『心疾患と妊娠・出産ベストプラクティス』は,本邦の現状に即したまさに時宜を得た出版である.本書は,日本循環器学会・日本産婦人科学会合同ガイドライン「心疾患患者の妊娠・出産の適応,管理に関するガイドライン(2018年改訂版)」作成班の産婦人科医や日本成人先天性心疾患学会専門医を中心に書かれている.ガイドラインに沿った内容ではあるが,よりコンパクトで実臨床に直接役立つ内容が詰まっている.
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