連載 ~知っているようで,実は十分に理解していない~ 医療に関する制度のあれこれ
第11回 医療保険の諸給付
波多野 将
1
1東京大学医学部附属病院高度心不全治療センター
pp.315-317
発行日 2022年2月1日
Published Date 2022/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika129_315
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医療保険の給付にはさまざまなものがあります.まず,医療保険の加入者である被保険者が病気やけがをしたとき,病院などの医療機関へ保険証(被保険者証)を提示すれば,一部負担金を支払うだけで必要な医療を受けることができます.これを “療養の給付” とよびます.この場合,被保険者には医療保険から原則かかった医療費の7割が給付され,残りの3割が自己負担となります.同様の給付は被保険者の被扶養者である家族にも適用され,家族が病気やけがをしたときも,医療機関などで被保険者証を提示すれば,一部負担金を支払うだけで必要な医療を受けられます.これを “家族療養費” といいます.
このほかにも,入院時に療養の給付と合わせて食事の提供を受けたときに食事の費用から患者が支払う分を除いた金額を支給する “入院時食事療養費” や,高額な療養費を支払うことになった場合に限度額を超えた分が払い戻される “高額療養費” などの給付もあります.これまでにも医療保険の給付の代表的なものについて解説してきましたが,今回はその他の諸給付についても紹介したいと思います.
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